今回はOwlabが設計したTungsten、Neonに続く3作目のスイッチ、London Fogをレビューします。
ほぼ日課の各ショップ巡回中にSwagkeysで入荷しているのを発見、TungstenやNeonを設計してきたOwlabの新作ということもあり、値段も安かったのでお得にclacky系の打鍵音を楽しめるかなと期待して購入してみました。
実際に打ってみると音量こそ大きめですが音自体は割と落ち着いた感じ、PCハウジングとUPEステムでもう少し軽めの音になるかと思っていたのですが予想外の結果になりました。
Tungstenはコツコツ系、Neonはバッチバチのclackyスイッチと両者かなり尖った特性でしたが、それに続く3作目のLondon Fogは結構無難な感じに纏めたなぁと言う感想です。
上で述べたように今回もお気に入りショップのSwagkeysから購入したのですが、何故か他のショップより値段が安いです。
他のショップでは10個当たり$5.8と標準的な値段ですが、Swagkeysでは10個当たり$4.5で売られています、謎。
ざっくりプレビュー
相反する要素が多いので一概に良い悪いで語れる物ではないですが、あえて挙げるならこんな感じになります。
UPEステムでかなり滑らかな打ち心地ですが、底打ち感は結構強め。
グラつきが少ないかわりに、KTT Strawberry程ではないですが戻りが若干モッサリしている気がします。
微妙と書いたファクトリールブですが、ステムポールの底に当たる部分や、ボトムハウジングのポール受け?の部分にルブが入り込んでしまって、底打ちの感触や音がおかしい個体がそこそこ見受けられました。
ファクトリールブ有りで購入を考えている方は、必要数に+10個以上余裕を持って購入することをオススメします。
現在はファクトリールブの有無を選べるようなので、ルブ作業が苦にならない方や、ルブの品質に不安がある方はファクトリールブ無しを選択して自分でルブをした方が良いかもしれません。
音量は大きめで、コツコツ系の音が出ます、プレートの種類によっても音は違うので一概には言えませんが基本的にピッチは低めに感じます。
Owlabと言えば中々尖ったスイッチが多い印象でしたが、今回のLondon Fogはあまり尖った所はなく、無難に纏まった良いスイッチでした。
基本情報
- 設計
- Owlab
- 製造
- Bsun
- タイプ
- リニアスイッチ
- マウント
- PCBマウント(5pin)
- 素材
- トップハウジング:PC(ポリカーボネート)
- ボトムハウジング:PC(ポリカーボネート)
- ステム:UPEロングポール
- スプリング
- 20mm ボトムアウト60g
- トラベル
- 3.6mm
- ファクトリールブ
- 有無を選択可能
上下ハウジングにPCを採用、ステムに超高分子量ポリエチレンを配合したUPEを使用。
ロングポールステムではっきりした底打ち感を出しつつピッチは低めで落ち着いた印象、スイッチのみだと結構音は高めに感じましたが、実際に付けてみると低めのしっかりした音に変わるように感じました。
各パーツ詳細
ここからは各パーツを見ていきましょう。
トップハウジング
やや明るめなアッシュグリーンのトップハウジング、Owlabのロゴが入っています、素材はPC
ボトムハウジング
トップハウジングと同じ色のボトムハウジング、リーフに潤滑剤が塗られています、こちらも素材はPC。
最近ではナイロンを採用するスイッチが多く、ボトムハウジングにPCを採用しているスイッチは珍しい気がします。
ステム
ステムは白のUPE製、実測13.37mmのロングポールステム。
ファクトリールブは結構しっかりめに塗られていますが、若干の塗り過ぎ感を感じましたので、不要な分は拭き取る等の対処が必要になるかもしれません。
特にポール周り(特に底の部分)のルブに関しては残っていると打鍵感・打鍵音に悪影響を及ぼしますので、ここだけは慎重に除去しておいた方が後でモヤモヤしなくて済みます。
スプリング
スプリングは最近よく見るマルチステージではない通常のスプリング、長さは20mmと長めの物が採用されています。
ボトムアウトは60gと標準的な重さですが、私の感覚だと60gより重く感じました。
ファクトリールブについて
私が購入した時はファクトリールブの有無は選択できず、ファクトリールブ済みの物が送られてきました。
ステムの脚やスライダー周りはかなりしっかりと潤滑剤が塗られていましたが、ポール周りにも塗られていた為か、かなりの割合で打鍵感・打鍵音に異常のある個体が混ざっていました。
私の運が悪いだけかもしれませんが、このスイッチは出来ればファクトリールブ無しを選択して自分でルブをした方が良いかも。
打鍵感・打鍵音
打鍵音や打鍵感の所感をまとめてみました。
個々人により感じ方は異なりますのであくまで私自身の感想ということを念頭に置いて見て頂ければと思います。
打鍵感
PCハウジングとUPEステムにより打ち心地はとても滑らか、打鍵時に引っ掛かりやカサつきは感じません。
ステムのグラつきに関してはかなり優秀で、ほぼグラつく事無く気持ちよく打鍵できます。
その代わりに若干ですがステムの戻りが遅いように感じられます。
ハウジングの嵌合も精度が高くしっかりしているので、フィルムを挟む必要性は感じませんでした。
底打ちの衝撃はそこそこ強めで、打鍵力が強い人は少し指にクるかもしれません。
打鍵音
音はかなり落ち着いた感じで、ピッチ低めのコツコツ系。
ロングポールステムとPCハウジングの組み合わせで、クリアな音を出しつつ音の質自体は大人しめという面白い感覚です。
ただ音量自体は結構大きいので使う場所は選ぶスイッチかと思われます。
トップアウトの音はよく抑えられており、変な雑音が混ざることもありませんしバネ鳴りが有る個体も少なくとても快適。
歯切れの良いコツコツ音をそこそこの音量で楽しめる良スイッチという印象です。
録音してみた
使用マイク:FIFINE K658 USBダイナミックマイク
録音ソフト:Audacity
音声加工:ノイズ低減と音量増幅
個人的好みはPOMプレート、私自身は高音系の音が好きなのでPCやPOM等のプラ系プレートが合っていました。
どのプレートでもコツコツと元気な音が出るので特に相性の悪いプレート等は無さそうです。
値段と購入場所
値段の安さがこのスイッチ最大の謎と言えるかもしれません。
色々なショップで取り扱いはあるのですが、大抵のショップでは10個当たり$5.8と平均的な値段に対して、今回私が購入したSwagkeysでは何故か10個当たり$4.5とかなりお安い値段になっています。
送料も安いですし、かなり試しやすいスイッチだと言えるでしょう。
まとめ
今回はOwlabの新作スイッチ、London Fogを試してみました。
PCハウジングにUPEステムと中々珍しい組み合わせのスイッチでしたが、音的には割と無難なコツコツ系になっています。
これまでのOwlab製スイッチから考えるともっと尖った感じなのかと予想していましたが、いい意味でアテが外れました。
底打ちの感触がしっかりあって気持ちの良い打鍵感に、グラつきの少ない精度の良いハウジング、ピッチ低めとかなり良い感じなのですが、音量が結構大きいので好みは分かれると思います。
ほんの少しだけステムの戻りが遅いような気もしますが、KTT Strawberryほどモッサリはしていないのであまり気にはならないでしょう。
雑音の少ないクリアな音でプレートの相性も特に無いので、色々なキーボードで活躍してくれるスイッチだと思います。
値段も安く手を出しやすいので、気になった方は是非試してみては如何でしょうか。
ファクトリールブについてはあまり品質が良くない感じでしたので、無しを選択して自分でルブをする事を強くオススメします。
それでは今回はこの辺で、ここまで読んで頂きありがとうございました。
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