[キースイッチレビュー] Durock POM

キースイッチレビュー第二弾は超スムーズな押し心地と独特の打鍵音が気持ちいいDurock POMスイッチのレビューです。
ハウジングにPOMを採用した少し珍しいスイッチで、白黒のモノトーンカラーが特徴です。

単純にDurock POMと呼ばれることが多いですが、扱っているショップ毎に”Durock Full POM”や”Durock POM Linear Piano”等呼び名が色々あります。

基本情報

カタログスペック

• メーカー
  • JWK/Durock
• タイプ
  • リニアスイッチ
• マウントタイプ
  • PCBマウント（5pin）
• 素材
  • 上下ハウジング：POM
  • ステム：Mystery Material（という表記ですが、P3というUHMWPEブレンドのカスタム素材を使用している模様）
• スプリング
  • 14mm 金メッキ 63.5g
• ファクトリールブ
  • 基本有り、有無を選択出来るショップもあります。

分解してみる

カタログスペックの確認が終わったのでサクッと分解してみましょう。

POMを採用したトップハウジング

トップハウジング同様にボトムハウジングにもPOMを採用しています。
自己潤滑性に優れる素材なのでとんでもなくスムーズです、音は独特な深い音がします。

黒いハウジングと対称的な白いステム、モノトーンで謎のシャレオツ味を感じます。

ショップの表記では”Mystery Material”となっているステムですが、P3というUHMWPEをブレンドしたカスタム素材が使われているようです。
ステムポールの長さは13mmをギリギリ超えておりロングポールの部類に入ります、これにより底打ち音が大きくハッキリ出てくるようになります。

スプリングはいつもの14mm金メッキスプリング、前回のalpacaは62gでしたがコチラはほんの少し重くなって63.5gになっています。
この重さが個人的には一番好きかもしれません、軽すぎず重すぎずちょうど良い感じ。

私はこのスプリングがあまり好きではありません、どうしても音が気になってしまうので自分で使う分は別のスプリングに交換してあります。

打鍵感

ロングポールらしいハッキリとしたコツコツという音が心地良いですが、底打ち時の衝撃がしっかり指に返ってくるので好みは分かれそうです、これはロングポールスイッチのデメリットでもあるのですが、底打ちの感触があまり指に優しくないので、強めに打鍵をする方は指が痛くなるかもしれません。

最近のスイッチは”滑らかさ”という点では最早頭打ち状態のように感じます、特にDurock/JWK製のスイッチでは引っ掛かりを感じるような事はほぼありません。
その上でこのスイッチは更に頭一つ抜けて滑らかに感じます、抵抗感もなく本当にスッと押し込めるので打鍵していてとても気持ちが良いです。

純正のスプリングは通常の長さのスプリングなのでそこまで反発が強くなく、戻る力も弱めなので表記上の重さよりは軽く感じます。

打鍵音

POMハウジングとP3ステムの組み合わせのお陰か、ナイロンボトムに比べると少し高めの音が出ますが、比較して高めというだけで耳障りな高音ではなく、小気味いいコツコツ音がします。

今回も参考になるかわかりませんが4つのキーボードで録音してみました。

使用マイク：FIFINE K658　USBダイナミックマイク
録音ソフト：Audacity
録音設定：音が変化しない程度のノイズ低減と2～6dbの音量増幅

POMの柔らかい音も良いですがFR4の高めのカチカチ音も気持ちいいですね。
ガスケットの素材もフォーム類の構成も違うので単純比較は出来ませんがこの中ならPOMとAluminumが好みですね。

プラ系のプレートはロングポールスイッチとの相性が良いように思います。
柔らかい感触が底打ちの衝撃を和らげてくれて、柔らかさ故に薄まりがちな音をロングポールのしっかりした音で補強する、お互いのデメリットを補うような形で作用するように感じます。

購入出来るショップ

国内ショップの遊舎工房で取扱があり、個人輸入と違い国内ショップですので配送も早く、ファクトリールブも有り無しが選択できます、自分で拘りたい方はルブなしを選択すると良いでしょう。
海外でも多くのショップで取り扱いがあります、みんな大好きAliExpressでも購入可能なので入手性は悪くないです。

肝心のお値段ですが2/23現在、AliExpressの場合1個84円、80個で7,400円弱です。
遊舎工房さんは1パック35個で3,300円弱になります。
※値段は為替の影響で変わりますのでご注意下さい

スイッチの在庫状況は日々変動します、記事内で紹介していても、売り切れたり取り扱いが無くなる可能性がありますのでご了承下さい。

まとめ

POMハウジングとP3ステムによる滑らかさと独特の打鍵音が癖になるDurock POMスイッチのご紹介でした。

スイッチ自体のポテンシャルも高く入手性も悪くないので、手軽にロングポールスイッチの感触を味わうには良いスイッチだと思います。
スプリングも思ったより重くなく軽快に打てて、ファクトリールブの選択も出来るので、拘りがある人にもオススメ出来ます。

それでは今回はこの辺で、ここまで読んで下さりありがとうございました。